Love Eater
自分の私情絡みの話に上が絡むとか厄介な事この上ない。
それに魔女一人に苦戦しているなんて認識をされたら上からの信用も落ちて自分の権限の自由は減少するだろう。
ソルトとしては上が絡むなんて事態は絶対に避けたい事。
と、なるとどんなに不本意で腹立たしい申し出であってもだ、
「っ……勝手にしろ」
「フフッ、勝手にするよ」
蓮華の性質の悪い興味からの好意を受け入れるしかない。
形ばかり受け入れはしても面白くない本心の方が表面に出てしまうのは抑える事が出来ず。
美男が勿体ない仏頂面の姿はまさに子供が不貞腐れた物に類似している。
とはいえ、そんなソルトを目の当たりにしたところで蓮華が心を痛める筈もなく。
寧ろ実に満足な心地の笑みで、不貞腐れているソルトの口から咥えたばかりの煙草まで奪って不機嫌を煽るのだ。
百夜からすればいつもの子犬と子猫の戯れ合い事。
毎度結局は真面目なソルトの方がしてやられて終わるお約束のやり取り。
どちらの味方につくでもない傍観者で楽しむのが百夜の立ち位置であるのもまたお約束。
確かに一方的で強引な悪意が大幅である蓮華のやり方。
ソルトが不貞腐れるのも無理はないと思う反面、決してソルトに利益の無い意地悪ばかりの話でないと解釈している