Love Eater
「まあ、そんなに不貞腐れなさんなって。不本意でも蓮華君が執行してくれたらリっ君のその不毛な悩みにも光が射すってもんでしょうが?」
「……そりゃあ、そうだろうけど」
「お、流石百夜サマ、良い助言どーもー」
「てめえは煩えよ」
「それに話を聞く分にも六花君に盲目ぞっこんな魔女子ちゃんらしいじゃない。仮に蓮華君が口説いてあっさり靡く女の子なのかな?」
「それは靡かないと思う自信はあるけどな」
「えー、そう言われるとなんか俄然口説いてみたくなっちゃうんだけど?」
「だから煩えよ?黙らねえと唇からぶら下がってる鬱陶しい鎖引っこ抜くぞこの野郎」
「クックッ、まあ結論、試してみるのも手じゃないかい?やり方はどうあれ【終わりよければすべて良し】なんて言葉もあるしねえ」
「………」
「それとも……心配かい?魔女子ちゃんが万が一にも蓮華君に靡くんじゃないかって」
「んなわけあるか。あの馬鹿がそんな単純で緩い玉かよ」
「じゃあ、話は決まりだ。蓮華君のやり方にある程度任せてみたらいい」
常々子憎たらしいと思っている百夜の存在であってもだ、どうしてかその言葉には説得力があって素直に聞き入れてしまうソルトがいる。
そんな自分がまた面白くないと不満に思えど、逆らう方に利益なんて見えないのだからして。
ソルトも馬鹿じゃない。
自分の激情優先に敢えて利益のない話を選ぶほど反抗期ではなく、結局重苦しい溜め息を吐くことでこの話を受領したのだ。
ま、あいつが蓮華に靡くなんてありえない。
そんな結論を自分の中で打ち出しながら。