稲荷と神の縁結び
いや、清貴さん……非常に重いですこの役割は……！！


「紬おばさまにご紹介しておりませんでしたので、ご紹介をと思っておりました。
せっかくなので、珠紀さんにもご紹介をさせていただきます」

どんどんと顔から血の気が引いていくのがわかる。サーと音を立てて引いていくのがわかるぐらい。
そんなことも気に留めてなさそうな清貴さんは、二人の前に座ってにこやかに話を続ける。


「彼女は時松こはるさん。私が社長就任以前より頼りにしていた部下であり、私の大学時代の友人の妹です」

「あら、ご友人の妹さんなのね？」

二人の鋭い視線が怖い。視線だけで刺されそうなぐらいだ。

「はい、すごく仲の良かった友人でして…これはもう縁だとしか言いようがないなと思っております」

台本でもあるんじゃないかと思うぐらい、にこやか且つ流暢に話す清貴さん。
さすが……言っていいのかわからないが、若くして社長になった人である。色々と化けるのが上手い。
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