稲荷と神の縁結び
圭ちゃんが居なかったら、私はどこか金持ちに売り飛ばされていたのではないかと思っている。それぐらい、圭ちゃんには恩がある。


「昔言ってた」

「はい？」

「社会的地位があって、真面目で、頭が良くて……尚且つお金持ちだと最高」

「あぁ、覚えてたんですね……」

滋子様に呼び出された、あの日言った私の結婚理想の結婚相手。

「私に求められるのは、あそこを守りサポートできる人と結婚すること。特に社会的地位に皆さん弱いですからね」

「ちゃんと意見を言える人」

「あの禰宜さんとか皆さんそう…曲者ばかりのうるさい人とやっていかなきゃいけませんからね。
特にうちの氏子の皆さん、相当曲者なんですよ。ちゃんと言い返すことができる人でないと、相当病みますよ。分家でも病んだ人も居ますし、内心はスキャンダル探してるような人ばっかりですから」

「………お前は、それでいいのか？」

清貴さんは私の前に立つと‐肩をゆさぶる。
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