稲荷と神の縁結び
頭を捻って考えてる私に「こは、うちに奉られてるのは何だ?」と聞く圭ちゃん。

うちに奉られてるのは……
「竜神さまです。昔うちの地域が湖だった時の主だった…」

「じゃぁ、お稲荷様って何の神様?」

「商売繁盛や五穀豊穣…」

「そう。稲作に重要なのは?」

「…………あー、なるほど」

つまり、『水』に関係のある我が家とは相性がいいってわけか。もはやオカルトの域…ってまぁ神道自体がオカルトじみているのは否定できないのだが。

「何ならうちからも分祀して持ってく?」

「いや、それは遠慮する………ってか、そういや圭ちゃんに言っとかなきゃいけないことが、ありまして………」

「何?」

あの偽婚約の話を、どう説明すれば良いのか……。

「何かかくかくしかじかで……流れで私と清貴さんが婚約していることになっちゃいまして……それが國前神社の禰宜さんの耳に入りまして………」

「かくかくしかじかがよくわかんないけど」

正直、私もよくわかんない。
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