稲荷と神の縁結び
いや、何かすいません。
そういうことは一ミリもしていません。


「あの、それで清様と滋子様はなぜこちらに……?」

「ああ、式の後に披露パーティーでもするんならって、あれ置いてった」

清貴さんの指差す方向には、固定電話の台。
そして電話の隣には‐ドレスの冊子が山積みとなって置かれている。見覚えのあるハイブランドばっかりだ。



「無理にとは言わんが一緒に選びたいそうだから……まぁ何か………適当に相手してやってくれ…………」


まぁ滋子様のセンスは間違いないことは確かであるが…。
ひょっとすると……私達よりもまわりの方が、結婚に対するモチベーションが高い気がするのは気のせいだろうか。


「何か普通は…姑って『息子を取られた』並みに嫁を憎んだり歪み合ったりするもんではないかと…」

「それはドラマの見すぎた。いつの時代の話?」

いやここに!ここにリアルで見てきた人が!!と突っ込みはぐっと堪える。
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