稲荷と神の縁結び
そう突っ込む間もなく、清貴さんはしゃが見込む。
私の顔を覗き込むと、指先で頬に触れて‐耳元に自分の顔を持ってくる。


『続きは夜に』

そう囁くと…頬に唇を落として、さっさと立ち去って行った。


続きは夜に。


いや、今だけでいっぱいいっぱいなのに……更に続きがあるのか…っていやそうだけど!!
いきなりこれは刺激が強い…っていや私が免疫無さすぎるのか。
やばい、今の時点で…穴があったら入りたい。
猛烈に穴を掘りたい。いやでもここは台どこ…


「おい、行くぞ」

その声に我に返る。
気付けば清貴さんは、スーツを着て廊下に立っている。時計を見ると、もう私も出勤時間が迫ってきていた。

「はい、行ってらっしゃいませ!」

そう返事をすると、私はダッシュで廊下を駆け抜けて出勤準備に戻ることにした。


今日は新年初めての出勤日だ。
気合いを入れなければ。そう意気込んで、私は出勤準備を始めるのであった。

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