偽装夫婦~御曹司のかりそめ妻への独占欲が止まらない~


 尊さんは面白がるようにわたしの顔を覗きこんだ後、我慢しきれなくなったのか思いっきり吹き出した。

「あはは、ごめん。あまりにもいい反応するから。つい、ね?」

「また、からかったんですかー!」

 昨日からいったい何度目だろうか。ここまでくると、だまされる自分も悪いような気がしてきた。

「悪かった。でも、顔を赤くして戸惑っている姿がかわいいよ」

「……っう」

 これもからかいの一種だとわかっている。だから顔を赤くしたりしたら、また面白がられる。けれど、それでもやっぱり面と向かってそういうことを言われるのは恥ずかしいのだ。

 耐えきれなくなって、彼の胸を手で押して距離を取った。

「か、過度なスキンシップは禁止です!」

「そうか、残念だな」

 尊さんは微笑みながら体を起こす。ギシリと音をたてながらベッドを降りた。

「そのあたりの約束については、フレキシブルに対応していこう。その場の雰囲気に流されるのも、夫婦にとっては悪いことじゃない」

 ベッドから降りた彼が、わたしを見下ろしている。彼も昨日の服のままだったが、第三ボタンまで外されたシャツから素肌が覗いている。寝起きのわたしには、少々刺激が強い。
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