神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~

「それに、ナユタ皇女は全然分かってないね? ペセルは工業大国ギオン帝国の帝位継承権を持った立派な王族でもあるんだけど? 」

このサフル王子の発言に、さらに大きな目を見開いてナユタ皇女は固まった。

「公爵令嬢と聞いてましたのに、違いますの?」

その言葉に、私は頷いて答える。

「公爵令嬢の立場は父方でパタル王国内での爵位です。母はギオン帝国現皇帝の妹で帝位継承権五位の王女でした。私はその娘で帝位継承権第八位ですね」

ナユタ皇女は、私の返事を聞くと泡吹いて倒れたのだった。

高位貴族だと隣国の王族と結婚とか結構あると思うのにね。
知らなかったとはいえ、他国の王族に対する態度ではなかったものね……。
普段、ギオンの地位は意識してないから私としても申し訳ないのだけれど、軽んじられる訳にもいかなかったので仕方ない。

しかし、私のギオン帝国の王族であることはこの国では結構有名なのに、本当に皇女は勉強不足だったとしか思えないので、倒れでも自業自得であった。
社交として、しっかり情報収集すればすぐに知り得たことだから。

とりあえず、なんとか不穏な気配は払拭出来たかなとは思う。

だが、ここに来て背後から冷気が漂ってきたので怖々と振り向くといい笑顔のお母様が立っていた。
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