キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「だったら、ちゃんとアプローチしないと。四月にさ、飛鳥が告白するって言った日はもっと恋に向かって努力してたじゃない」

 あ……それって、クラス替えをしたばっかりのときのことだよね。あのときは楓にワックスで前髪を直してもらったりして「絶対に告白するんだ!」って、もっと強気に恋にぶつかれていた気がする。

 けど、私……。いつから、こんなに臆病になったんだろう。少しずつ近づかないと、彼のペースで距離を縮めないとって色々考えていたら、今のまんまでもそばにいられるからいいやって。傷つきたくなくて、私……自分の気持ちをずっと隠していたのかも。

「そうだね、最近の私は押しが足りなかったかも。ねぇ美代、今日はリップ……少しだけ濃くしようかな」

「じゃあ、髪は私がやってあげる」

 美代は手際よく宙斗くんのリボンを使って、私の髪をポニーテールにしてくれる。

「頑張れ、飛鳥」

「ありがとう美代」

 私はそのリボンに触れて、ふわっと笑う。今日は忘れられてしまった告白、私の想いに気づいてもらえるように、もっと意識してもらえるように頑張るぞ!

    

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