*SOUZI*
「その時、慎太郎と光は、すでに隠密として訓練を受けていた
だから、罠にかからなかった
罠にかかったのは、秋山と美代自身だった
2人に先立たれ
残った秋山の息子、泰助は美代の分も光を可愛がろうとしていたが…
光は、人を疑うようになった
慎太郎は、光を守ることに執着し始めた
慶福が家茂と名を改めた頃
光は、泰助と一振りの刀を作り上げた
それは、試作品であったが良い出来だった泰助に内緒でもう一つ、試作品とそっくりな刀を作っていた
光はその刀に細工をしていた
泰助に刀が見つかり、それを勝手に振り回し止めに入ったところを慎太郎の父親が斬られ、死んだ
そして… 徳川家定様が亡くなる時
そばに光を呼んだ
天璋院様と3人で最期を過ごされた
家茂と光は、義兄妹
互いに初恋を諦めた
泰助は、光を利用しようとしていた
慎太郎がそれに気づき泰助を引き留めている間に、光は出生を隠す為に
刀を持ち、城を抜け出した
だから、刀に出生の証があるのだと
それがあれば家茂に取引を持ちかけ
金になると思ったのだろう
恐らく、泰助を斬ったのは、慎太郎だ」









< 83 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop