*SOUZI*
土方が俯き、ため息を漏らす

「子供時代から、人の嫉妬や恨みに触れていたのか…」


「光は、どこに連れて行かれたのか
わからないんですか!?」


沖田の眼差しに、松平が微笑む


「心当たりは、ない
しかし、慎太郎が一緒なら大丈夫だろう」


「俺は、そうは想わない
もし、塚崎さんが信頼出来る人なら
城を逃げ出す時に頼ったはずだ
だが、光が頼ったのは、育ての父兄
そして、その兄と慎太郎は仲良くなかった
警戒する何かがあったと推測する」


「あれは、誰に対しても警戒する」


「それが、そうでもないんです
沖田には、心を開いておりました」


「まことか!」

「はい、俺は彼から刀を貰いました
光の作った刀、試作品の方を」



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