偽のモテ期にご注意を

一月経つと、体調はかなり戻って来ていた。

激減した体重も、心配される程では無くなっている。

『順調よね?』

自分に言い聞かせるように呟いてみるが、疑問系になってしまう。

沢城にとって、この一ヶ月はまだ一ヶ月と言えた。

流れが緩慢で、1日1日がとても長く感じる。

以前はあっという間に時間が過ぎていたのに、今はスローモーションのように長く感じる。

『毎日がこんなにつまらないのが、この先も続いて行くの?』

あの日以来TVもネットも雑誌も見られない。

このままでは仕事にも支障がでてしまうのではと思うが、もう暫くメディアから離れた暮らしがしたかった。


新しく変えたスマホも、恵と松本からの連絡以外無い。

平日は会社と家を往復するだけだし、休みはスーパーに買い物に行くだけだった。

『枯れてるなぁ』

そんな言葉を思い出し、胸を痛める日々がこれからも続くのかと、うんざりと思いながら眠りについた。
< 120 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop