偽のモテ期にご注意を

今日は週末で、仕事のキリが良い所までとやっていたら、一時間程残業になった。

松本に今日も来るのか声をかけようとしたが、忙しそうだったので、メッセージを送る事にして荷物を纏める。

メッセージの内容を入力しながらロビーを歩いていると、ザワザワとした声が聞こえて来て顔を上げる。

『何?』

自動ドア付近に女性社員が群がって外を見ているのを、不思議に思いつつ外に出る。

「圭奈!」

呼ばれた声に驚いて、声の方を見るとそこには置鮎が立っていた。

「!?」

突然現れた置鮎に頭の中が真っ白になったが、こちらに歩みを進めるのを見た瞬間、反射的に踵を返して走り出す。

『何?夢?まさか向こうから来るなんて・・・』

会えた事を喜ぶ反面、胸がドクリと変に打つ。

御曹司、婚約者、セフレ・・・そんな言葉が脳裏に浮かび、締め付けられる胸と、走っている所為で呼吸が乱れて息苦しくなる胸に心臓が止まりそうになる。

< 121 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop