偽のモテ期にご注意を

「お忙しいでしょうから、仕事に戻って貰って構いませんよ」

「いえ、最重要案件ですので」

表情を崩さず淡々と話す姿は、本当に重要だと思っているようには見えない。

恵がこの部屋から出て行かないように、見張っているような居心地の悪さを感じながら、沈黙したまま時間が過ぎていく。

コンコンコン!

慌てたようなノックの音がして、相手の返事を待たずに乱暴にドアが開くと、ノック動揺に慌てた様子の置鮎が居た。

「お待たせしました」

少し息が上がっている。

「あら、随分とお疲れのようね」

ネットで見た写真は細身では有るが、しなやかな筋肉が付いていて、生気が溢れていた。
だが、今の置鮎は顔色も悪く、痩せて生気が無い。
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