終わる世界で、きみと恋の埋葬
「あれ、あすかもう帰んの? ちょっと待って、送る」

「ありがとう、お言葉に甘えてお願いしちゃうね。あすかくんが一緒にいてくれるなら安心だし」

「えっ」

「え?」

「いいの」


いいのとは。ああ、送ってもってことかな……?


「いいよ。もちろんだよ。むしろ面倒かけてごめんね」

「いや」

「でも、急にどうしたの?」

「別に急じゃない。言わなかっただけで、今までも考えてたことだよ。ただのクラスメイトに送られたら、むしろ怖いかと思って」

「あすかくんならそんなことなかったのに」

「それは気を遣って損したな」

「ほんとだよ」


並んですたすた歩く。ふたりでいるとは言え、あんまりのんびりは歩いていられない。


「制服もさ、着ないほうがいいよ」

「私服見たいから?」

「ばか。性別と年齢がバレるからだよ。服選ぶの面倒ならおんなじようなのでもいいから、私服もできるだけシンプルでちょっとボロくていろいろ分かりにくいのにした方がいい」

「なるほど」


すたすた、すたすた。


「あすかは学校に泊まったことある?」

「ない。え、あすかくんはあるの?」

「ある」

「えっ、怒られないの?」

「こんなご時世だからな、むしろ家にひとりでいるよりマシだと思ったんじゃないの、全然怒られなかった。……いいだろ」


にやりと笑うので、いいなあ、さすが思い出づくりのプロだね、と羨ましがると、あすかくんはふふんと笑って、もう一度「だろ。いいだろ」と言った。

とても子どもじみた声だった。


わたしはあすかくんの「いいだろ」が好きなのだった。
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