皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

「水毒にいいのは……この時期だと、うどとか?」


少し山に入ったところに、うどが自生しているはずだ。
劉伶さまに二度と会うことなんてないと思いながら、なぜか足は山に向かっていた。


太くて立派なうどを持ち帰り簡単に昼食を済ませた頃、「すみません」と外から男の人の声がする。

誰か体調を崩したのだろうか。

慌てて建付けの悪い扉を思い切り引いて開けると、そこには玄峰さんと博文さんが立っていた。


「はっ! どうされました?」


もう二度と会わないと思っていた人たちが再び目の前にいることで動揺して声が上ずる。


「突然すみません。この辺りに市場のようなところはないかと思いまして。あっ、それと料理を作ってくれる方も求めているのですが……」


博文さんが片方の口角を少しだけ上げ、しかし眉根を寄せた困惑が入り混じった表情で尋ねてくる。
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