皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

目を丸くして、今までとは違う大きな声を出したのは博文さんだ。
見かけで判断するのはよくないが色白で線の細い彼からこんな声を聞くとは思わなかった。


「心得というほどでは。少し知っている程度です」


拡大解釈をされては困る。あくまでかじった程度なのだから。


「玄峰、これは運命じゃないか?」
「さっさと連れていけばいいだろ」
「連れて?」


よからぬことに巻き込まれるのではと悟った私は、やはりあとずさりする。


「玄峰! 麗華さんが震えている。その顔をしまえ」
「できるか!」


ふたりが小競り合いしているのを速くなる鼓動に気づきながら聞いていた。
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