皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

「恐縮です。棗が入っているのは初めてです」


博文さんがそう言いながら口に運ぶ。


「棗は胃腸にいいんです。あと不安を和らげる効果もあります」
「へぇ。それが薬膳料理のひとつですか」
「まぁ、これは料理ではありませんが、そうです」


私と博文さんが会話をしている間に、玄峰さんが一気に飲み干した。
喉が渇いていたのだろうか。

棗は体を温める効果があるが、玄峰さんは冷やすもののほうがよかった気がする。
彼からは熱量を感じるのだ。

……これも見かけ判断だけど。


「麗華さんは医学の心得もおありで?」


「いえ、まったく。ただ、この村には医者がおりませんので、体調を崩した方に薬膳料理を振る舞ったり、取るべき食べ物をお教えするようなことはしております」


正直に告げると、博文さんが満足げな顔をしてうなずいた。


「その能力をお借りできませんか? 実は劉伶さまが少し体調を崩していて――」
「やはりそうでしたか」


博文さんの言葉を遮ると、玄峰さんが二度瞬きを繰り返す。
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