お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
私はぶんぶんと頷く。最高の贅沢って……それはそれで気になるけれど、きっと知らない方がいい。

つまり、今日は王道デート? よかった、王道……でも、彼の王道ってなんだろう?

ピカピカに磨かれた彼の車に乗り込み、早くもドキドキと鼓動を高鳴らせる。

随分綺麗だな……あれ、もしかして、新車?

「まさか、今日に合わせてわざわざ車を買い足したとかではないですよね……?」

「元々俺が使っていた車だよ。小回りが利いて気に入っている。ふらっと出かけるにはこれくらいがちょうどいい。……それとも、フェラーリやロールス・ロイスに乗っててほしかった? まぁ、持ってるけれど」

「持ってるんですか!? 車何台所有してるんですか……?」

「仕事柄必要だったり、もらえたりするんだよ。訪問先の系列会社に合わせて、車種を変えなきゃならないしね。次はもっといい車でドライブデートしてみる?」

「い、いえ、周りにジロジロ見られるのは嫌ですし」

「同感」

まずひとつ、価値観を共有できたことにホッとして、車に乗り込んだ。
< 106 / 294 >

この作品をシェア

pagetop