お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
私の決意に気づいてくれたのだろうか、彼はフッと吐息をこぼし、抱きしめる腕を緩めてくれる。

「もしものときのために、君や常務に監視をつけておいてよかった。……君が監視の目を巻くのは、予想外だったけれど」

申しわけなさにカァッと頬が熱くなる。

私が雉名さんと会場から逃げ出した上に、エレベーターを行ったり来たりしたから、監視が追いつかなくなってしまったのだろう。

「……勝手なことをして、すみませんでした」

「いいんだ。澪は俺の元に戻ってきてくれたんだろう?」

そう言って、私の首筋に手を添えて、そっとキスを落とす。

その緩慢なキスが終わる頃には、私の膝は力を失い、その場にへたり込んでしまった。

「澪!?」

「ご、ごめんなさい……なんだか、力が抜けてしまって」

ふにゃふにゃとカーペットに手をついた私を、柊一朗さんは横抱きにしてベッドへ運ぶ。

「大丈夫か?」

緊張が一気に緩んだせいだろうか、なんだか甘えたくなってしまって、心配そうに覗き込んでくる彼の胸元に遠慮がちに体を預けた。
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