お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「す、すみません、私もまさかこんなことになるなんて」

慌てて恐縮した私に、柊一朗さんは「澪が謝ることじゃないよ」と雉名さんの手をはたき下ろした。

「……というか、人の婚約者に馴れ馴れしく触らないでもらえる? 振られたくせに」

「あんたがいつまで経っても女のひとりも落とせないから、手伝ってやったんだろう」

雉名さんの悪態を聞いて、私は「え?」と目を瞬く。

もしかして今まで私のことが好きな振りをしていたのは、柊一朗さんへの想いを図るためのフェイクだったの!?

そうだよね、雉名さんが私のことを好きになるはずがないもの。

「ひどい、雉名さん、私のことを試してたんですね。私、てっきり本気で告白されたのかと思って、思い悩んでたのに」

むっと頬を膨らませると、隣にいたふたりが複雑な表情で顔を見合わせた。

「……なぁ、こいつやっぱり鈍――」

「もういいよ。雉名は黙ってて」

柊一朗さんはしっしっと手で追い払う振りをする。
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