お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「穂積さんって、こういうお店によく来るんですか?」

「たまに。口説きたい女の子がいるときにだけ来るよ」

「そうですか~……」

物珍しそうに辺りをキョロキョロ見回す私だったが、数秒遅れて言葉の意味に気づきハッとした。

ん? ってことは、私は口説きたい女の子だってこと……?

ぴくんと反応した私を見て、彼は意地悪な顔でクスクス笑う。

「その想像で、合ってるよ」

「な、なんのことですかっ!」

心の中を覗かれた気がして、思わず赤面してしまった。

いやいや、まさか。彼が私を口説こうとするはずがないじゃないか。

だって、言ってたもの。一緒に行く人がいないから、人助けだと思って付き合ってって。今日の私はただの同伴者だ。

ごまかすように食前酒のシャンパンをぐいっと飲む。

「つれないなー。俺、結構本気なのに」

「からかってますよね……」

「からかってないよ。それこそ、ジェラート屋さんでたまたま仲良くなったような女の子ならともかく、仕事場の女性相手に、気まぐれに遊ぼうなんて大それたこと考えないし」
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