魔法学校 l




「サナ…」


暗い顔のサナ


2種目目で残っているのはサナたち兄妹のペアだけだから、


きっと1位にならなければ、優勝のためにも勝たなければ、


といったプレッシャーがあるのだろう





「ヤヨイ……頑張ろうね」



「うん。

無理しないで、ね?」



「うん」


朝からそうだったが、元気がない



ましてや、さっきの会長の言葉を聞いてから顔色が優れない



「ほーらっ!笑ってサナ!


大丈夫だから!」



「うぅー・・

負けたらって考えてしまうの…」



うん。

わかるよ



勝たなきゃいけないんだ

負けたらいけない



そのふたつがずっと頭にこびりつくんだよね



自分のせいで、優勝できなかったらって考えたら



怖くて怖くて



どうしようもなくなるよね






「サナ、祝福を私の前に」



「でも、そしたらヤヨイが…」



「私が負けるわけないでしょ?笑


ね?そうでしょ、サナ」



私を信じて



「そうだね笑


ヤヨイは強いもん、あたしの自慢の親友」




サナは自分の祝福を私の前に出す





私は自分の祝福をサナのそれに重ね、頭の中で詠唱する




『汝を守護したまえ。汝に祝福あれ』





解き放たれたように



光が広がった







暖かい


柔らかい



光だった







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