迷惑なんて思ってないよ
その後、特に何かあった訳じゃなく気を付けて帰るよう言われて帰宅した。家に帰っても今回の騒動で理事長は帰ってきていない。だから、布団の上に横になって彼女の事を考えていたら朝になっていた。

「頭・・・、おかしいんじゃない・・・?」

さすがに遅刻はまずいと思って急いで高校へ行くと、俺にかけられた言葉は彼女を悪く言う物ばかりだった。本音を吐いた俺の声なんて届かないほど、昨日の事件で賑わっていた。
今日も俺は屋上へ向かった。昨日の今日だし、彼女が来ないのは予想していたから。本当に暇潰しのためだったんだ。
屋上へ行くと、彼女が少し寒そうにしながら用具箱の後ろで涼んでいた。俺はまるでお化けでも見たかのように腰を抜かして驚いた。間抜けな叫び声まで上げていたけれど、騒がしい声にかき消されているのか、生徒や教師が様子を見に来る事はなかった。
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