ヴァンパイア†KISS
「デュオ様、大変です!」

ブルースが慌ててバンと開け放った寝室のドアの先で。

「あ……はぁ…ん」

銀髪の美女が白のドレスの上半身をはだけさせ、その胸にくちづけする男の赤い果実が艶めかしくうごめく。

「あ…す、すみません!デュオ様…!」

慌てて背中を向けたブルースに。

美しい銀髪を腰まで垂らした美女は、デュオの頭を両手で抱いたまま冷たい視線を向けると、

「ブルース、この時間はわたくしとお兄様の……ぁ…はぁ…エナジー補給の……時間なのよ。最高のエクスタシーの時間を……あぁああん…邪魔しないでもらいたい…わ」

「ルシア…いいさ。ブルースにも快感を味わってもらおう」

デュオはそう言うや否や、白い牙をその甘美な唇から零れさせると、林檎にかぶりつく様にルシアの首に牙を入れた。

「ズ……グジュ…ジュ…ル」

血を吸う甘い音がブルースのエクスタシーを誘う。

「う…は…ぁ…デュ、デュオ様、た、大変なんです!ウルフ様がこのガイアに、人間の子供を連れ込んで……」

ブルースの知らせを聞いたデュオは、牙をルシアの首から抜くと、その唇から甘い血の汁をシーツに滴らせながら、

「………な…んだと…?」

驚きを隠せないようにバイオレットの瞳を見開いた。

ただルシアだけは、

「ほんとうに邪魔なやつね、ブルース」

そう言うとつゆほどの驚きを見せることもなく、デュオの唇の血をその愛らしい舌でペロリと舐め取ると、最後の快感の一滴まで味わうように恍惚の表情を浮かべた。


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