ヴァンパイア†KISS
デュオの眠るベッドに座り、彼の額に触れながらわたしは昨夜のブルースの言葉を思い出していた。

「カレン様!!ウルフ様とエマ様がガイアへ向かったと!?」

ブルースが慌ててわたしとデュオの部屋へ走りこんできた。

後ろにはサラもついてきていた。

「ええ、皆に黙って二人だけで行ってしまったわ。わたしは今、ここを離れることができない。でも用が済んだら必ず駆けつけるわ。だからブルース…」

「もちろんですよ!ルドルフたちも連れてすぐに駆けつけます。ウルフ様も無茶をなさるなぁ。…まぁ昔からそうだけど。でも、ここで駆けつけなきゃ、僕がデュオ様に叱られちゃいますからね!」

ブルースがわたしを励ますようにガッツポーズを作った。

「サラ、君はここで待ってろ。ユーゴはある意味オズワルドより危険だからね」

サラはふっとため息をもらすと、何言ってんのと一喝する。

「ブルースだけじゃ頼りないじゃない。それにわたしは『ヴァンパイア・キス』を1回見てみたいのよ!」

ブルースはそんなサラに引っ張られるように部屋を出て行った。

あの二人、案外お似合いかも……。

クスリと微笑んで、月を見上げる。

今頃、ウルフたちはどうしているだろう。

どうか……無事でいて……!!



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