危険な愛に侵されて。







放課後の帰り道。

幸い生徒は少なく、それほど注目が浴びることもなかったと言いたいけれど。


隣にいる男は銀髪のため目立ち、先ほどから人の視線を感じる。


それはここの学校の生徒に限らず、だ。


確かに生徒は少ない。

けれど一般の人たちからも痛いほど視線が感じるのである。



「銀色とかイキッちゃって」
「……あ?」

わざと嫌味ったらしく言ってやると、即座に反応した雪夜。


「その銀髪、厨二病?」

いくらかっこいいとは言え、銀色の髪を見ると少しばかりそう思ってしまう人は少なくないだろう。


「気分」

「気分で銀髪ってよくやるね?
髪が傷んで早く禿げればいいのに」

「ふはっ、髪にまで文句言うか」
「あんたの全部が嫌い」


私は心の底から雪夜を嫌っている。
目の前から早く消えてほしいのに。


「へぇ、結構傷つくこと言うな?」
「だって……っ、離せ」


言葉で攻撃しただけたのに、彼は反撃したいのか私の手をぎゅっと握ってきた。

それも指を絡ませる恋人つなぎで。

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