運命の恋~もしもあの時・・~
夜旦那と2人で歩くのも本当に久しぶりだった。
結局デートもせず共同生活をするパートナーみたいな感じだったのかな?
もう少しだけお互いに思いやれて尊重してきてたら今が違ってたんだろうな。
そして有希の家までの15分くらいは娘の話ばかりしていた。

大通りを曲がりすぐに入った所に家があり、もう少しというところで私のスマホが鳴りだした。
カバンから取り出すと案外大きい音でなり響き慌てているとすぐに着信が切れた。
小さな声で「えっ」と聞こえたような気がして大通りの向かい側を見た。
稗田さん…
驚いてこちらを見ていたが目が合うとすぐに寂しく笑った気がした。

「電話大丈夫?」

旦那から話しかけられて焦って振り返る。

「えっ、あ、うん。切れちゃったしあとから連絡する。」

そんなやりとりをしている背後で車のドアが閉まる音がし、エンジン音と伴に車が走り去った…。
電話の着信は稗田さんだった。
旦那と楽しそうに娘の話をしていたと思う。
笑顔でこんなに会話するのも久しぶりだって思ってたから…
稗田さんに見られた。
いや、いいんだけど…やましいことは何もないし…
でも何故か焦燥感で胸が締め付けられる感じだった…
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