花嫁様の離婚大戦争
「そんな噂もあったな。そんなとんでもない噂ばかりある彼から驚いたことにエレナを妻にとご所望なんだ。エレナには申し訳ないが人質ということだろうな。」

そんなことは言われなくても分かっていた。

「断れば我が国もどうなるか分からん。民を守るためにはお前が嫁ぐしかないのだ。婚姻を通じて同盟をなどと言われてはな。」

これは本当に断れない。エレナは途方にくれた。

「わかりました。お受け致します。」
歯を食いしばりながらも答えた。

「本当にすまん。だがな良いことを思いついたんだ。」

良いこと?そんな都合のいいことなんてあるはずがないと首を傾げていたがそれはエレナに見えた一筋の光だった。

「王族の結婚は最初の半年間は婚約期間で半年後に正式な結婚になるのは知っているな?」

「ええ、もちろんです。」

「そう。だからお前は半年までの間に嫌われる努力をすればいい」

エレナはまた本日2度目のちんぷんかんぷんになってしまった。

「嫌われたらエレナは彼から離れられるだろう?」

「でもそんなことしたら戦が!」

「そこは、離婚の条件に入れてさせて貰うから大丈夫だ。」

落ち込んでいたエレナだったが希望ができた。

「分かりました。全力で嫌われて全力で離婚して貰えますよう頑張りますわ!」

エレナは生きこんだのだった。
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