クールな弁護士の一途な熱情



「あ……いえ。私同級生といっても全く連絡も取ってなくて、昨日たまたま再会して、弁護士ってこともそこで知ったんです」

「そうだったの。じゃあ余計びっくりよね」

「そう、ですね」



高校を卒業してから、静とは連絡ひとつ取らなかった。

同窓会に行ってもクラスが違うから会うことはなかったし、誰からも話すら聞かなかった。



……いや、聞かないようにしてたっていうほうが正しいのかもしれない。

だけどそうやって私が耳を塞いで目を背けているうちに、静は進んでいたんだな。



高校を出てからこの歳まで、私には私の過ごした時間があるように、彼には彼の過ごした時間があった。

あの頃は、同じ教室で同じ景色を見ていたはずなのに。



……なんて、今更気にしても意味がないこと。なのに、胸の奥に引っかかってしまう。



「果穂ちゃん?大丈夫?」

「あっ、はい!すみません」



ふと我に返り、私は引き続き花村さんと事務所内を歩いた。







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