クールな弁護士の一途な熱情



それから花村さんから教わった仕事は、主に事務仕事と電話番、それとお茶出し。

事務仕事は主に入力作業や経費精算、請求書発行など、昨日静が言っていた通り確かに難しいことはなかった。

けれど内容が細かいことと、大分件数が溜まってしまっているので量がある。



花村さんいわく、三人とも自分の仕事で手いっぱいのため、前の事務員さんが辞めて以来事務仕事は後回しになってしまっているのだそう。



けどまぁ、あの会社でも仕事に追われるのは慣れている。

むしろやることがあるとやる気がわいてくるもので、私は黙々とパソコンへと向かった。




それから数時間の15時前のことだった。



「果穂ちゃん、私外出するね。今日はそのまま直帰するからあとはお願い。定時の18時になったらあがっていいからね」

「はい、わかりました」



裁判所に行ったり役所に行ったりと外出も多いらしく、花村さんは書類やノートパソコンを詰め込んだバッグを手に席を立つ。



「あ、あと伊勢崎先生に相談者来てるから、お茶出しお願い」



そう言って部屋を出た花村さんに、事務室には私ひとりとなった。

壇さんも午前から外出に行ってしまったし、みんな忙しそうだ。



三人のスケジュールが書かれたホワイトボードには、『伊勢崎 相談・田中様15時〜』の文字。



よし、お茶出し行こう。

初めてのお茶出し、ちょっと緊張するけれど普通に淹れれば大丈夫。


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