トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「ひっ!」

思わず体を震わせる。

声の主である薫子は、突如暗闇の中から姿を現し、あたしをあざわらうかのようにクスクスと笑った。

「どうしたの?そんなに驚いて」

「か、薫子!?ビックリさせないでよ!!」

「私はびっくりさせてないわ。勝手に驚いたのはエレナでしょ?私のせいにしないでもらえる?」

声を荒げて怒るあたしに表情一つ変えない薫子に顔が引きつる。

どうしてこんなところに今一番会いたくないこの女がいるのよ……!!

苛立ちに任せて取り出したお財布から小銭を出そうとしたとき、突然目の前のお財布をひったくられた。

「ちょっ、なにすんの!?」

そう叫んだと同時に薫子はにやりと笑い、お財布を逆さまにして振った。

小銭がバラバラと地面に転がる。

「アンタ……――な、何してんの!?」

薫子の信じられない行動に驚きながらも、あたしは必死になって足元に転がる小銭を拾い集めた。

「マジでなんなのよ……!あぁ、最悪……!あたしのお金が……!」

小銭をすべて拾い集めたら、思いっきり罵ってやる。

グッと怒りを押し殺して自販機の下にまで転がっていってしまった小銭に手を伸ばして必死になってかき集める。

そして、薫子の足元に落ちていた最後の一枚の100円玉に手を伸ばした瞬間、右手に激しい衝撃を感じた。
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