【完】俺の隣にいてほしい。
すぐそばに人の気配がしたかと思ったら、目の前に何か物が置かれるような音がして。


何かと思って見てみたら、それはドラッグストアの袋だった。


ハッとして顔を上げる。


すると、その袋を置いた人物はなんと、先ほど去っていったはずの花園の女二人組のうちの一人で。


やたらと俺のことを心配していた、あのロングヘアの女だった。


驚きのあまり、何も声が出なかった俺。


その女は袋を置くと、俺と目を合わせようともせず、すぐさま逃げるようにササっとその場を去っていく。


その時一瞬だけ、彼女の顔がハッキリと見えた。


……なんだあいつ。わざわざ一人で戻ってきたのか? 何のために?


そう思って目の前に置かれた袋の中をそっと覗いてみる。


するとそこには、思いがけないものが入っていた。


使い捨てのホッカイロ二枚と、消毒液と、絆創膏が一箱。


え、ウソだろ……。なんだよこれ。



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