貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「すごい! すごく美味しいわ! なにこれ美味しい」

緑子の感動の声に、周りにいた女官たちが「どうしたの?」と寄って来る。

その度に「どうぞ」と声をかけ、揚げ餅はたちまちのうちに減っていき、遠慮のかたまりのような少しだけを残して無くなってしまった。

毎日一粒ずつ、藤盛家のことを思いながら食べようと思ったのにと、少し残念ではったが、もしかすると嗣爺と小鞠はこうなることを見越して沢山作ってくれたのかもしれない。

何しろ揚げ餅がきっかけになり、あっという間に「これからよろしくね」と皆と打ち解けることができたのだから。
花菜は早速筆をとった。

お礼の手紙と、忘れないように認める日記である。

『嗣爺、小鞠、ありがとう。揚げ餅のお陰でお友だちが沢山できたわ』

ふたりは喜んでくれるだろう。

――私、がんばるからね。

女官のお給料である録(ろく)をもらったら、みんなに何を買ってあげようか。
そのためなら、きっと辛いことがあっても乗り越えることができる。
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