貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「大丈夫よ。普段はいいのよ、そんなにおしゃれをしなくても。花菜の着ている十二単はとても素敵よ。素晴らしいわ。それに花菜は肌着をちゃんと毎日変えているでしょう? 表着ばかり変える人もいるけど、あれはだめね。花菜はいつも清潔だし、そっちのほうが大切なことよ。とってもいい香りがする」

「ありがとう」

緑子に励まされ安堵に胸を撫でおろし、黙々と裁縫を続けていると、ある先輩女官がゴホゴホと咳をした。

ハッとしたように花菜は一瞬息を止める。

ここで流行り病にうつっては困る。
そっと袖の中から小さな布を取り出し口元を隠すように布を当て、布に着いた紐を後頭部で縛った。

取り急ぎ作った簡易マスクだ。
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