貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
人には色々な事情があるのだと、花菜は考え深く瞼を伏せた。

でもどうだろう?
彼女は不幸だろうか?

辛い思いをしたに違いないのに、それでも緑子はそんな風にはみえない。

「恋をしたいわ。素敵な恋を。ねぇ花菜、そう思わない?」

クスっと笑う彼女の笑顔は晴れ晴れとしている。

それは彼女自身が自ら道を切り開く強さを身に着けているからかもしれないし、彼女の明るい性格がそうさせているのかもしれないと思った。

「恋ねぇ、そんな日が来るかしら」
「来るわよ、絶対」

そんなふうに他愛もない話をしながら歩いていると、その先で女官達が慌ただしく御簾を下げているのが見えた。

「なにかしら」

更に近寄ると、その下りた御簾の内側に女官たちが貼りついてキャッキャと騒いでいる。

「何があるのですか?」
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