貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「花菜、どこに行っていたの?」
足早に花菜の元に来た緑子は、心配そうに顔を覗く。

「うん。ちょっと人が多くて疲れちゃったから、気分転換してきたわ」
「え? 大丈夫。ん?」

心から心配そうに見つめてくる緑子の様子に、じんわりと心が温かくなる。

「大丈夫大丈夫。まだ終わっていないでしょう? さあ楽しまなくちゃ」

「よかった。よく見える場所を見つけたの。行きましょう」

ここには、こんな風に気にかけてくれる緑子のような友達がいる。辛いことばかりじゃない。

それに今は忙しいだけで、ずっと帰れないわけではないのだから。

――どんなことだって小鞠や嗣爺に聞かせる土産話だと思えばいいわ。

そう思うと、沸々と勇気が湧き起こってくる気がした。
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