貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
そんなことを思い出し、ちょっと憂鬱な気分で女御さまの御座所に着いた。
「お呼びしました」
クビなったらどうしよう……。
今更ながら、睨んだりしたのは浅はかだったわ、と反省しつつそっとため息をついて頭を垂れていると、
「この衣の刺繍をしているのは、あなた?」
と、女御の声がする。
ちょっと意外な質問だったが、ズキッと胸が痛んだ。
――ああ、叱られてしまう。
裁縫が上手だと見込まれて、女御さまの普段着となる単衣を用意しているが、実はちょっと頼まれてもいないことをした。
単衣は中に着るものなので表着を着てしまうと袖の部分しか見えない。
もちろん見えなくても贅沢に地紋の柄はついているが、それでもちょっと寂しいと思った花菜は、袖の見える部分に布と同じ色の糸で、ところどころに小さな花の刺繍を付けたのだ。
恐らくそれが、余計なことだったに違いないと思った。
「お呼びしました」
クビなったらどうしよう……。
今更ながら、睨んだりしたのは浅はかだったわ、と反省しつつそっとため息をついて頭を垂れていると、
「この衣の刺繍をしているのは、あなた?」
と、女御の声がする。
ちょっと意外な質問だったが、ズキッと胸が痛んだ。
――ああ、叱られてしまう。
裁縫が上手だと見込まれて、女御さまの普段着となる単衣を用意しているが、実はちょっと頼まれてもいないことをした。
単衣は中に着るものなので表着を着てしまうと袖の部分しか見えない。
もちろん見えなくても贅沢に地紋の柄はついているが、それでもちょっと寂しいと思った花菜は、袖の見える部分に布と同じ色の糸で、ところどころに小さな花の刺繍を付けたのだ。
恐らくそれが、余計なことだったに違いないと思った。