貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
包からはほんのり油の臭いがする。

食欲のある花菜には香ばしくて食欲をそそる香りだけれど、胃が弱っている女御には恐らく胸焼けする臭いだろう。
そんな時は、口当たりの優しい物がいいだろうに。

「あの、女御さまのお食事は、いつもと変わらないのですか?」

「食事? そうね……食べられないわけじゃないから」

「もし、よろしければ私に女御さまのお食事を作らせては頂けませんか?」

「え?」
女御は驚いたように目を見張る。

慌てたのは女房たちだった。

「こ、これ、何を言っているのですか。女御さまのお食事は膳司(かしわでのつかさ)で用意されるのですよ」

皆の慌てぶりをみて、花菜は慌てて頭を下げた。

「あ、すみません……余計なことでした」

ここは家ではない。
宮中の、ましてや女御が口にするものなのに、そんな勝手が許されるはずがないではないか。
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