貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
失敗してしまったと、花菜はガックリと項垂れた。

「よいよい。そなた、料理ができるの?」

「はい」

女御は、「彼女とふたりだけにしておくれ」と人払いを命じた。

渋々と女房たちは、下がっていく。

ふたりきりになると、「もっと近くへ」と花菜を呼んだ。

「あなたは、藤盛の少将の姫なのでしょう?」

「はい。花菜と言います」

「花菜、失礼なことを聞いてごめんなさいね、あなたはもしかして、家で料理をしていたの?」

花菜はハッとした。

貴族の姫が料理をするなど、通常では考えられないことなのだ。

人払いをしたのは、もしかすると自分に恥をかかせないための、女御の心遣いなのか?
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