貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
皆、花菜には好意的で温かく向かい入れてくれた。
心配した反発などは一切ない。

弘徽殿の女御が一筆書いてくれたことも、もちろん大きな理由のひとつだろう。
そして、もうひとつ原因があった。

聞けば彼女らは、かつて花菜の父が積極的に宮仕えをしていた頃に、救けられたことがあるという。

月見の宴で出す筈の料理の準備が整わずに困っていたところ、ツテを頼って揃えてくれたとかなんとか。
それを知った他の貴族たちは横柄に威張るだけだったのに、少将だけは親身になって心配してくれたという。

その時はまだ修行中だった女官が、今の責任者尚膳だということだった。

「少将は元気?」

「はい!病気もしないし、とても元気です」

「それは良かった。長いことお姿を見ないから心配していたのよ」

「あはは、すみません。気にかけてくださって、ありがとうございます」

「少将に似て、あなたもいい娘ねぇ、良かったよかった」

あの引き篭もりの父と自分のどこが似ているのだろう?と、花菜は首を傾げたくなったが、それでも父を褒められたのはうれしい。
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