貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
数日後、また弘徽殿から花菜は呼び出された。
もはや恒例の呼び出しだが、今回については、『今日はふたり分のお菓子をお願いします』との言付けがあった。
仕事の切も良かったので早速調理場に向かった花菜は、材料と調理器具を眺めて考えた。
ふたり分か……と暫く考えて、思いついたのはチーズケーキ。
ホールで作れば人数に関係なく融通が利く。
まず竈でクッキーを焼き、砕いて竹で出来ている輪っぱの中に敷いた。
竹は本当に便利である。
茶筅は泡立て器として立派に役に立つし、細工をすればフォークにもスプーンにもなる。
チーズにヨーグルトを入れて、溶かした寒天を加え鍋で熱しながらよく混ぜる。
滑らかになったところでクッキーの台の上に流し込み、固まるまで放置。
何しろ季節は寒い冬だ。
冷蔵庫はなくても、よく冷える。
固まるまで待つ間に唐菓子を食べようとしてふと思い立った。
――そうだわ。校書殿に行ってみよう。
校書殿には藤原蒼絃の妹、朱鳥がいる。
もはや恒例の呼び出しだが、今回については、『今日はふたり分のお菓子をお願いします』との言付けがあった。
仕事の切も良かったので早速調理場に向かった花菜は、材料と調理器具を眺めて考えた。
ふたり分か……と暫く考えて、思いついたのはチーズケーキ。
ホールで作れば人数に関係なく融通が利く。
まず竈でクッキーを焼き、砕いて竹で出来ている輪っぱの中に敷いた。
竹は本当に便利である。
茶筅は泡立て器として立派に役に立つし、細工をすればフォークにもスプーンにもなる。
チーズにヨーグルトを入れて、溶かした寒天を加え鍋で熱しながらよく混ぜる。
滑らかになったところでクッキーの台の上に流し込み、固まるまで放置。
何しろ季節は寒い冬だ。
冷蔵庫はなくても、よく冷える。
固まるまで待つ間に唐菓子を食べようとしてふと思い立った。
――そうだわ。校書殿に行ってみよう。
校書殿には藤原蒼絃の妹、朱鳥がいる。