貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
彼には双子の子供がいるというが、彼の子を産んだ女性は一体どんな人なのだろう?
彼も恋をしたのだろうか?
人並みに?
花菜の視線の先で、藤原蒼絃は軽やかな風のように歩いている。
もしかしたら影がないのではと思ったが、自分と同じようにちゃんと影があった。
どんなに見つめても、彼がふいに姿を消すことない。
渋々ながら彼が人間であると認めて、花菜はまた歩き出した。
――あっ!
振り返ったその途端、目に飛び込んできたのは頭中将である。
積極的な右近を見習って今度こそ、なにか話をしたいと思うけれども、話しかける話題が何も浮かばなかった。
頭の中は真っ白だ。
あと一メートル、あと五十センチ……。
あの時の女官のように扇を落としてみようかとも思うが、いざとなると胸の鼓動が強くなるばかり。
彼も恋をしたのだろうか?
人並みに?
花菜の視線の先で、藤原蒼絃は軽やかな風のように歩いている。
もしかしたら影がないのではと思ったが、自分と同じようにちゃんと影があった。
どんなに見つめても、彼がふいに姿を消すことない。
渋々ながら彼が人間であると認めて、花菜はまた歩き出した。
――あっ!
振り返ったその途端、目に飛び込んできたのは頭中将である。
積極的な右近を見習って今度こそ、なにか話をしたいと思うけれども、話しかける話題が何も浮かばなかった。
頭の中は真っ白だ。
あと一メートル、あと五十センチ……。
あの時の女官のように扇を落としてみようかとも思うが、いざとなると胸の鼓動が強くなるばかり。