貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
調理場に戻ると、早速入れた置いた土鍋の蓋を開けて、ケーキを作った輪っぱを取り出した。

両手で揺らし傾けてみて固まっていることを確認し、紐を解いて輪っぱを外す。

「おー」

無事ケーキは崩れない。
ゆすってみると、フルフルとケーキは揺れた。

盆の上にケーキを置いて、竹で編んだ籠を被せる。

お皿と匙はふたり分。
切り分ければ、残りをおかわりすることもできる。

みかんの皮を入れた紅茶は届けてもらうようお願いして、ケーキと皿を乗せた盆を手に花菜は弘徽殿に向かった。

――お客さまは、どなただろう?

ご実家の方?と思って、ふと思い出した。
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