貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
東市が開く時間は、太陽が真上に昇った十二時、子の刻。
「早めに行きましょうね。いいものが売れてしまう前に」
「はい!」
邸の前の小路ではまだ人影はまばらだったが、大路に近づくにつれ、風に乗って市の賑わいが届いてきた。
人の往来が激しくなると共に、否が応でもわくわくと心は弾む。
「さあ小鞠、手を繋ぎましょう。はぐれたらいけないから」
小鞠の瞳も期待と興奮で輝いている。
「はい!」
東市が見え始めた頃には、店が見えないほどの大勢の人で賑わっていた。
「うわー! すごい人ですねっ!」
「久しぶりに晴れたし、お正月も近いからかしらね、いつもより混雑しているわ」
行き交うのは人だけでない。
荷物を積んだ馬や牛車も多い。
市に集まる人々は、都に住む者だけではない。地方からやってきた商人や豪族、その供の者など、それこそ見慣れない不思議な格好をした者も大勢いる。
集まっているのは男たちだけでなく、市女笠の女や衣を被った女性たちもいれば、威勢のいい女商人などもいて、それはそれは華やかだ。
「早めに行きましょうね。いいものが売れてしまう前に」
「はい!」
邸の前の小路ではまだ人影はまばらだったが、大路に近づくにつれ、風に乗って市の賑わいが届いてきた。
人の往来が激しくなると共に、否が応でもわくわくと心は弾む。
「さあ小鞠、手を繋ぎましょう。はぐれたらいけないから」
小鞠の瞳も期待と興奮で輝いている。
「はい!」
東市が見え始めた頃には、店が見えないほどの大勢の人で賑わっていた。
「うわー! すごい人ですねっ!」
「久しぶりに晴れたし、お正月も近いからかしらね、いつもより混雑しているわ」
行き交うのは人だけでない。
荷物を積んだ馬や牛車も多い。
市に集まる人々は、都に住む者だけではない。地方からやってきた商人や豪族、その供の者など、それこそ見慣れない不思議な格好をした者も大勢いる。
集まっているのは男たちだけでなく、市女笠の女や衣を被った女性たちもいれば、威勢のいい女商人などもいて、それはそれは華やかだ。