貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「この扇をお使いなさい。私が母から譲り受けた由緒ある物ですから」

「お母さま。大切になさっているものなのに」

「いいのですよ。それから着物も。流行りの柄ではないだろうけど伝統ある柄だから恥をかくことはないでしょう。本当は、姫が結婚する時にと思って用意しておいたのですけれど」

北の方は畳んだ着物の上に扇を置き、花菜に手渡した。

「姫は私たちの希望の星だ。好きなように生きておくれ」

「お父さま」

手に手をとって、藤盛家全員が花菜の女官試験を応援することになった。

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