貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
やがて笛の音が止み、

「女官試験をお受けになられる方はこちらへー」

大きな声が牛車の中まで聞こえてきた。

朱雀門は沢山の牛車の列ができているのだろう。
「このまま少しお待ちください」という声が聞こえ、牛車が止まった。

いよいよ宮中だ。

それからどれくらい経っただろうか。

ゆるゆると牛車は動き出し、やがて係りの者に促されながら車を降りた。

残念ではあったが、朱鳥と蒼絃とはここで別れである。

「ありがとうございました」

「がんばってくださいね」

「はい! がんばります」

朱鳥は校書殿(きょうしょでん)というところで書物の整理をすることになっているという。
女官になれた暁には、必ず会いに行きますと約束をして別れた。
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