貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
不採用になるわけにはいかないのだ。
家族の応援と期待を一身に浴びて、今日の日を迎えたのだから。

「元気もりもり?……」

中から声がする。

花菜はとにかく必死だった。大きな声で答えた。

「はい! この通り」

さて、御簾の内側だが――。

そこには、東宮、源李悠(みなもと りゆう)、頭中将、そして、藤原蒼絃。更にもう一人、碧の月君(あおのつきぎみ)と呼ばれる橘碧月(たちばな あづき)の五人がいた。

今回の女官募集を任されている四人と、見学に訪れている東宮である。

主に質問をしているのは、頭中将だった。

突然扇を下ろし、正面を向いて『元気もりもりです!』と言い出した花菜に仰天したのは東宮だ。
ポカンと口を開けている。
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