貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
源李悠と藤原蒼絃はクスクスと笑い、碧の月君は眉をひそめた。
頭中将は、クスッと笑うと「それほど自信があるのか?」と聞く。

彼らは皆声を殺して笑っているし、普段から表情を崩さない蒼絃でさえ、薄っすらと笑っている。

そんな事とは知らない花菜は、
「はい! では失礼して、ご覧にいれます」
おもむろに身を乗り出して、腕立て伏せを始めた。

体力を証明するとなれば、全力疾走を見せたいと思ったが、ここで走るわけにはいかない。

「こ、これ、なにを」

仰天した女官が、慌てて制したがもう遅かった。

二十ほど数えたところで、

「もうよい、わかった」
と、御簾の中から、声がかかった。
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